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スペインで震災写真展 石巻出身・橋本照嵩さん、30点を厳選 4~30日

橋本照嵩さん

 石巻市出身の写真家橋本照嵩さん(84)=さいたま市=が撮影した東日本大震災後の古里・石巻の写真が4~30日、スペイン・マドリード市で展示される。被災した古里に寄り添うようにして撮影した橋本さんの写真がスペインの人たちの心を捉える。

 橋本さんの震災写真展を企画したのは、スペインと日本の文化交流を図る現地の財団AN-A Fundacion。昨年5~7月、昭和時代まで新潟県を中心にいた盲目の女性旅芸人「瞽女(ごぜ)」を活写した橋本さんの写真を、初めてマドリード市民に紹介したのが縁となった。

 マドリード市内にある財団の建物ロビーで開かれる震災写真展には、震災直後から3年かけて自宅があるさいたま市と石巻地方を36回も往復して撮影した写真1万5700点の中から約30点を厳選し展示する。

 橋本さんは、変わり果てた古里の風景だけでなく子どもたちや漁師の表情、伝統芸能の神楽や石巻川開き祭りといった四季折々の行事に集う人々にレンズを向けた。写真に込めたのは「祈りであり、ここに生きる、暮らすという意思表示」。報道写真とは違う被災地の表情を写し取っている。

 橋本さんは「震災の恐ろしさはもちろん、震災が何を奪い、人々の暮らしや人生、価値観にいかなる作用を及ぼしたのか、マドリード市民に少しでも伝われば」と話す。

 橋本さんの震災写真は、時事通信社の「時事ドットコム」でも紹介されており、国内外の反響を呼んでいる。

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