離島停電に備え 東北電ネットと2管本部が共同訓練 ヘリ使い資機材運搬
東北電力ネットワークと第2管区海上保安本部(塩釜市)は5月30日、地震で停電が発生した離島に、海保のヘリコプターで資機材などを運ぶ共同訓練を岩沼市の2管本部仙台航空基地で実施した。災害時の協力協定に基づく海保と電力事業者の訓練で、海保ヘリの使用は全国で初めて。
地震により石巻市の離島で停電が発生し、津波被害で港の使用ができないとの想定で、関係者28人が取り組んだ。
ヘリの機体に作業用ロープや工具、衛星電話などを積み、復旧に当たる東北電ネットの作業員を乗せて離陸する流れを確かめた。ヘリの使用により、能登半島地震で復旧の難しさが浮き彫りになった半島部の災害にも対応できるという。
東北電ネット岩沼電力センターの照井義明・配電課長は「関係機関と連携し、地域での電力の安定供給とレジリエンス(回復力)強化に取り組む」と話した。2管本部の工藤貢環境防災課長は「災害時に混乱が生じないよう、訓練の成果を生かしたい」と語った。
東北電ネットと2管本部は、東北電を加えた3者で2022年3月に協定を締結。過去8回の共同訓練は、いずれも海保の巡視船艇を使用して実施した。
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