能登半島地震 石川・志賀町派遣の及川さん、一時帰庁 石巻市長に報告「被害全体把握に至らず」
能登半島地震で被災した石川県志賀町に長期派遣されている石巻市職員の及川剛さん(60)が3日、市役所に一時帰庁し、斎藤正美市長に現地や業務の状況を報告した。
及川さんは3月まで市雄勝総合支所理事兼総合支所長を務めた。東日本大震災で避難所運営や復興業務を担った経験も買われ、4月から1年間の予定で同町環境安全課に配属された。
現地では被災者生活再建支援金や義援金などの申請業務をはじめ、被災建物の公費解体や災害ごみに関する相談業務も担当。同課は町職員9人と他自治体から中長期派遣された職員7人が所属し、及川さんは若手職員から「ビッグボス」と呼ばれているという。
及川さんは、町内では現在、避難所5カ所に計約150人が暮らし、2次避難などを含めると自宅を離れている人はさらに多いと説明。公費解体や応急修繕が進まず、生活再建に支障を来していると指摘した。
被災者生活再建支援金の申請は対象者の7割程度にとどまっているとの見立てで、「他の支援制度も多くて情報が錯綜(さくそう)し、高齢世帯も多いので浸透していない。職員数も足りず、被害状況全体の把握に至ってない」と所感を述べた。
及川さんは「住民はもちろん、職員にも震災時のノウハウを伝えながら寄り添いたい」と語った。斎藤市長は「元気で活躍し、経験が生かされているようでありがたい」と話した。
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