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鯨肉活用で産学官連携 大和煮がせんべいに 石巻市×石巻専大×木の屋石巻水産×酒田米菓

産学官が連携して商品化したせんべい
開発したせんべいを手に記念撮影をする関係者

 石巻市特産の鯨肉の新たな活用策にしようと、市と石巻専修大、水産加工会社「木の屋石巻水産」(石巻市魚町1丁目)、酒田米菓(山形県酒田市)などが協力し、「オランダせんべい 鯨(くじら)大和煮風味」を開発した。「お菓子で鯨を食べる」をコンセプトに、捕鯨文化の継承と地域経済活性化につなげようと産学官が連携した。

 鯨肉は、木の屋の看板商品「鯨大和煮」の製造過程で出る端材を活用。酒田米菓が粉末状に加工して定番の「オランダせんべい」に練り込み、大和煮の風味が味わえる商品に仕上げた。

 同大は2022年度から、市と連携して流通量が減る鯨肉の有効活用策を研究。鯨に含まれる成分の解析などを行ってきた。

 研究成果発表会と試食会が4日、市役所であり、関係者約30人が出席。研究を担った同大理工学部の鈴木英勝教授は「鯨肉は高タンパクで低カロリー。ドコサヘキサエン酸(DHA)や、ビタミンなどが豊富に含まれている。石巻を象徴する鯨をおやつで気軽に味わってほしい」と話した。

 木の屋の木村優哉社長は「缶詰に使えない端材をどう生かすかという課題の解決になった。いい活用方法だ」と喜び、酒田米菓の佐藤栄人副社長も「鯨食を知らない人にも親しみを持ってもらえれば」と期待した。

 試食した斎藤正美市長は「食感が良く、鯨の風味も出ている。どの世代からも愛される商品になり、捕鯨文化の継承に生かされてほしい」と語った。

 発表会では、鯨肉をフリーズドライや粉末にして利用した「プロテインみそ汁」やアイスクリームなど、同大が開発中の商品も紹介された。

 せんべいは、いしのまき元気いちば(石巻市中央2丁目)や木の屋の直売所(美里町)などで販売している。1袋40グラムで260円。連絡先は木の屋0229(29)9429。

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