石巻地方の古代史、関心高めよう 石巻市博物館企画展、講演会 出土品など基に解説
石巻市開成の市博物館で開かれている第8回企画展にまつわる講演会が2日、マルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)の小ホールであった。企画展の監修を務めた東北学院大文学部非常勤講師で同大博物館学芸員の佐藤敏幸さんが、飛鳥時代から奈良時代初めにかけての石巻地方について解説した。
テーマは「古代牡鹿郡の成立と神亀元年海道蝦夷(えみし)の反乱」。企画展が焦点を当てている724年と774年に蝦夷が国家に対して起こした反乱のうち、724年の反乱の背景をひもといた。
佐藤さんは「日本書紀」と「続日本紀」、遺跡から出土した土器などに基づき解説。7世紀末の石巻地方では、律令国家が城柵と呼ばれる軍事拠点や倉庫などの施設を造り替えたり、715年には関東から2万人を陸奥国に移住させて村をつくり、地域支配を進めたりしたと説明した。
その上で、蝦夷から土地や労働力を奪ったことが反乱の要因になったと指摘。「地元に新しいものが来る時、自分たちに危害のあるものなら受け入れられない。やむを得ず反乱したのではないか」と語った。
東松島市矢本の無職70代男性は「関連記事を新聞で読んでいたが、中央と地方の関係性や反乱の原因について再確認できて良かった」と話した。
企画展は7月21日まで。7月7日には東北学院大文学部歴史学科教授の永田英明氏による774年の反乱についての講演が同会場で開かれる。
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