「いざ」に備えを 旧大川小で県内新任校長研修 遺族2人、事前防災の必要伝える
県教委は13日、東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲となった石巻市旧大川小などで、新任校長を対象に学校防災研修を開いた。児童の遺族2人が事前防災の重要性を伝えた。
92人が参加。大川小6年だった次女みずほさん=当時(12)=を亡くした元教員で「大川伝承の会」共同代表の佐藤敏郎さん(60)が、同校の危機管理マニュアルに不備があり、児童と教職員が津波到達直前までの約50分間、校庭にとどまり犠牲になったことを説明した。
「避難訓練は命がかかる本番のためにある。いざという時に行動できるようにするのが大切だ」と訴えた。
市河北総合センターでは、大川小6年だった長女小晴さん=同(12)=を失った同市青葉中校長の平塚真一郎さん(57)が講演した。
参加した蔵王町遠刈田中の堀内宣久校長(53)は「起こり得る災害を想定して行動できるようにする大切さを感じた」と話した。中新田高(加美町)の早川健次校長(53)は「生徒たちの意見も取り入れながら、学校防災について考えたい」と語った。
県教委は2020年から旧大川小で新任校長研修会を開催している。11日は同校や山元町の震災遺構「中浜小」で新規採用教員向けの研修会を開いた。
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