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微細藻類、おいしい給食に 石巻の研究所が培養 幼小中15施設で1065食、提供

ナンノクロロプシスの粉末を使った給食を食べる児童=石巻市二俣小
ナンノクロロプシスの特長を児童に説明する後藤所長

 石巻市内で生産された微細藻類「ナンノクロロプシス」を使った給食が12日、石巻市の河北学校給食センター管内の小中学校などで提供された。藻類の食材を通して将来の食糧危機について考えてもらおうと、生産、販売する同市十八成浜のイービス藻類産業研究所が企画した。

 ナンノクロロプシスは直径2~5マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)ほどの植物プランクトンで、タンパク質を豊富に含む。海水を使って培養プールで栽培するため、畜産に比べて必要な水資源と土地が少ない。世界的な人口増加を背景に培養が進められている。

 給食では、笹(ささ)かまぼこにナンノクロロプシスの粉末製品やマヨネーズを加えて焼いたメニューを採用。市内の2幼稚園と13小中学校で計1065食が提供された。

 同研究所仙台事務所の後藤博史所長(58)は同日、市二俣小(児童121人)の2年生の教室を訪問。紙芝居で藻の栄養素や食糧危機の問題について説明し「藻の一つ一つは目に見えないほど小さいが、すごくたくさんの栄養を含んでいます」などとPRした。

 児童は笹かまぼこを口いっぱいにほおばって、豊かな磯の香りを堪能した。日野六花さん(8)は「ノリみたいな味でおいしかった。毎日給食に出てくれたらうれしい」と喜んだ。

 ナンノクロロプシスを使った給食は昨年11月、市内全小中学校で初めて提供された。十八成浜にある研究所の培養施設は約1万平方メートルの敷地に七つの培養プールを備え、粉末換算で年間約3トンを培養する。

 後藤所長は「児童が楽しそうに食べてくれてよかった。タンパク質を取るもう一つの選択肢として、給食や家庭でなじんでいってほしい」と語った。

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