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陸上日本選手権あす開幕 石巻出身の出場選手、紹介

公式記録会のレースで自己ベストを出した佐藤さん
大会直前まで仙台大で調子を整える本田さん

 国内トップクラスの選手が集う第108回日本陸上競技選手権大会(27~30日・新潟市)に、いずれも石巻市出身で跳躍の本田姫星(きらら)選手(21)=仙台大4年=と、短距離の佐藤美里選手(20)=中央大3年=、三浦由奈選手(22)=セレスポ勤務=が出場する。佐藤・三浦両選手は27日の女子100メートル、本田選手は30日の走り幅跳びで表彰台を目指す。このうち2人に意気込みを聞いた。

◇女子100メートル 中央大3年佐藤美里さん(20)

<自分の走り貫き挑む>

 専門は100メートルと200メートル。両種目ともに日本選手権の出場標準記録を突破した。100メートルでは出場枠40人に選出され初出場となる。「今年は100メートルの調子がいい。挑戦者として気負わず、自分の走りを貫きたい」と大舞台に照準を合わせる。

 昨年の冬から自重トレーニングや歩幅を決めて走るマーク走などの練習に力を入れる。スタートの瞬発力や、脚力を十分に地面に伝えるために足が後ろに流れないようにするなど自己課題に向き合い続け、理想の走りを追求した。

 高校時代から貫いてきたフォームも変更。横振りだった腕を、海外のトップ選手と同じ縦振りに変え、足運びの素早さに磨きを掛けた。

 4月の公式記録会では、100メートルで11秒64の自己ベストをマークし、練習の成果を実感。「日本選手権ではベストに迫るタイムを出す。11秒50台で走りたい」と意気込む。

 石巻市出身で、石巻中で短距離をメインに陸上を開始。常盤木学園高3年の時にはU20日本選手権に出場し、200メートルを制覇した。中央大1年の時も同選手権に出場したが、腰の負傷などが重なり記録が伸び悩んだ。

 回復後も好調だった高校時代の走りを追い求めたが、11秒台の記録は出なかった。そんな時、同級生や恩師が応援のメッセージをくれたり、直接レースを見に来てくれたりした。「感謝の気持ちを込めて走りたい。陸上を楽しむ姿で、周りに元気を与えられれば」と力を込める。

◇女子走り幅跳び 仙台大4年本田姫星さん(21)

<走力強化し集大成へ>

 昨年に引き続き、走り幅跳びで日本選手権2度目の出場を決めた本田さん。自己ベストの6メートル03を上回る6メートル15以上を目指す。「予選の3本で攻め、上位8人に残りたい。大学生最後の日本選手権なので、決勝も跳び切りたい」と闘志を燃やす。

 昨年9月に埼玉県熊谷市であった日本インカレで自己ベストを記録。今年6月に神奈川県平塚市で行われた、日本学生陸上競技個人選手権大会でも3.3メートルの追い風参考ながらも、自己記録タイをたたき出し、日本選手権に向けていい流れをつくってきた。

 石巻市出身で稲井中入学後に陸上を始め、800メートルや1500メートルなど中長距離走に取り組んだ。石巻好文館高に入り、2学年上の兄龍之神さん(23)=仙台大卒=と同じ走り幅跳びに転向した。

 大学では400メートルリレー選手としても活躍する。今シーズンはリレーと走り幅跳び双方に必要な走力を強化。踏み切りやテンポなど技術が重要な走り幅跳びでは、足が速くなった分、うまくかみ合わない日々も続いた。

 走り幅跳びの先輩であり、家族としても頼りがいのある兄に、的確なアドバイスをもらった。練習や大会会場でのフォームを見てもらい、つま先の接地を見直し、足の速さを殺さない助走を手に入れた。

 「学生最後の出場なので、これまで一緒に頑張ってきた先生や家族にいい結果を伝えたい」と意気込む。昨年は14位。今年は決勝出場と表彰台を目指して跳ぶ。

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