石巻の73年前と今、見比べ散策 「まちなか写真展」 バトラー大尉撮影場所にパネル設置
戦後間もない1951年に米軍医が撮った写真を撮影場所近くに展示する「1951・まちなか写真展」が石巻市内で開かれている。東日本大震災で大きく変わった風景と73年前の写真を見比べながら街を散策してもらう。来年1月14日まで。
NPO法人石巻アーカイブの主催で、A1判のパネル26枚を店舗や施設に掲示。今年4月まで石巻かほくに連載「よみがえる1951」を執筆した郷土史家辺見清二さん(76)の解説を付けた。パネルのQRコードを読み込むと、写真群の説明、掲示場所の地図などを載せたウェブサイトを閲覧できる。
内海橋通り商店街を写した1枚は、ドーム屋根の建造物が奥に見え、和菓子店、靴店、呉服店が立ち並ぶ。撮影場所は津波で甚大な被害を受け、閉店が相次いだ。現在は駐車場や空き地が目立つ。
大町通り(現アイトピア通り)の写真は、着物や洋装姿の3人の女性を収めた。石巻アーカイブ会員で、パネル掲示に協力した老舗呉服店「京屋」の奥村恵英社長(66)は「イベントで街歩きする人が増え、当時のような活気が少しでも戻るとうれしい」と話す。
写真はキャンプ松島(現航空自衛隊松島基地)に駐留した米軍医ジョージ・バトラーさん(1911~74年)が撮った。戦後復興期の地方都市を主にカラーで撮影した写真群は史料として評価が高く、原板は長男アランさんから譲り受けた米ハーバード大が「ジョージ・バトラー・コレクション」として保管している。
石巻アーカイブは同市中央2丁目のホシノボックスピア1階で、同コレクションから145枚を集めた写真展「73年前の石巻&宮城」第1期を8月19日までの金、土、日、月曜に開催している。
代表理事の小野寺豊さん(64)は「多くの市民と来訪者に写真をきっかけに回遊し、街の移り変わりを肌で感じてほしい。コレクションの価値と貴重性が再確認される機会にしたい」と話す。連絡先は小野寺さんのメールdera@wecando.co.jp
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