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自己資本比率、高水準を維持 2023年度決算・石巻信用金庫、石巻商工信用組合

23年度決算などを説明した石巻信金の総代会
23年度の事業方針などを報告した石巻商工信組総代会

 石巻市の石巻信用金庫と石巻商工信用組合の2023年度決算が出そろった。ともに円安やウクライナ情勢による物価高騰の影響を受ける地元企業の経営を積極的に支援し、利益を確保した。経営の健全性を示す自己資本比率は国内基準の4%を上回る高水準を維持した。

石巻信金 純利益、2期連続5億円台

 石巻信金は経常収益が前期比1億5100万円増の23億4600万円だった。経常利益は貸出金利息や有価証券利息配当金などで増加し、8900万円(12.51%)増の8億900万円。当期純利益は7200万円(14.16%)増の5億8200万円で、2期連続で5億円台を確保した。

 貸出金は5億1900万円増の827億7300万円。地元事業者への積極的な伴走支援や個人客への生活支援などに取り組んだ。

 預金残高は14億9400万円減の1882億2300万円。コロナ関連融資(ゼロゼロ融資)の一括返済や、個人預金が生活資金取り崩しや相続などで減少したことによる。自己資本比率は1.19ポイント上昇の29.06%だった。

 総代会が6月26日、石巻市のぞみ野2丁目の総合相談センターであり、23年度決算や24年度活動方針を説明した。地元事業者に寄り添った伴走支援や個人客への生活支援、地域貢献活動を通じ、持続可能な地域社会の創造に取り組む。

 明石圭生理事長は「高齢化の進展、人口減少が進む中、暮らしの豊かさや安全安心を守るため、地域の真のニーズを的確に捉え、地域に根差した協同組織金融機関として確固たる信頼を得られるよう活動を展開していく」と述べた。

石巻商工信組 純利益、計画上回る

 石巻商工信組は経常収益が前期比3700万円増の11億9000万円だった。有価証券利息などその他収益が増加した。経常利益は給与引き上げなどに伴い経費が増加したため、前期比1500万円減の8500万円だった。

 当期純利益は法人税などの減少で、前期比100万円増の6900万円となり、当初計画の5000万円を上回った。

 貸出金残高は地元企業への資金繰り支援を積極的に行い、前期比1億4600万円増の590億円となった。

 預金残高は地方公共団体の預金の減少などにより、前期比38億円減の1061億円だった。自己資本比率は0.60ポイント上昇の21.66%だった。

 総代会が6月20日、石巻市千石町の石巻グランドホテルであり、23年度決算や24年度事業方針などを説明した。24年度はコンサルティング機能を発揮して資金繰り相談のほか、取引先の経営状況に応じた伴走型支援を強化する。

 梶谷啓二理事長は「協同組織金融機関として、地域の持続的発展に貢献できるよう全力で取り組んでいく」と話した。

 理事の改選では、8人全員が再任。総代会後の理事会で梶谷氏の3期目の理事長就任が決まった。

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