吉永小百合さんからメッセージ 「キューポラのある街」上映会、来場者感激 石巻名画座
俳優吉永小百合さんから石巻名画座にメッセージが届いた。6月29、30の両日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカであった吉永さん主演の日活映画「キューポラのある街」(1962年)上映会に寄せられた。吉永さんの温かい言葉が詰めかけた市民の心を熱くした。
吉永さんは東日本大震災後の2012年12月、被災地支援でワーナー・マイカル・シネマズ新石巻(現イオンシネマ石巻)を訪れ、主演作「北のカナリアたち」特別上映会に市民約700人を無料招待、舞台あいさつで市民を励ました。
その縁があって石巻名画座代表の本庄雅之さん(65)が「キューポラのある街」上映に合わせてメッセージを依頼したところ吉永さんが快諾。「私の大切な作品を観(み)ていただけますこと、大変喜んでおります。… 『キューポラのある街』-みなさまのお心に届きます様に!!」といった内容のメッセージが送られてきた。
メッセージは計5回の上映で毎回、観客に紹介された。29日午後6時半の回では、12年前に「北のカナリアたち」特別上映会に居合わせた只野可奈子さん(19)=東北学院大2年、大崎市=がトークゲストとして出演、本庄さんに代わって読み上げた。只野さんは「私は当時、小学1年か2年だったけど吉永さんからスターのオーラを感じた」と振り返った。
本庄さんは「吉永さんは役柄と同様、真面目で前向きでアクティブな人、何事にも真摯(しんし)に向き合う人だと思った。自分のイメージ通りというより、それ以上にすてきな方だった」とたたえた。
観客は17歳でブルーリボン賞主演女優賞を受賞した吉永さんのはつらつとした演技に見入ると同時に、今も石巻市民に寄り添う吉永さんの優しさに励まされた。「キューポラのある街」は石巻名画座第8回作品として上映された。
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【メッセージ全文】(原文のまま)
石巻市の皆さま、
このたび、石巻名画座の上映会で「キューポラのある街」をご覧下さる皆さま、吉永小百合です。
1962年に公開された私の大切な作品を観ていただけますこと、大変喜んでおります。
この作品で私は貧しいながらも高校進学を夢に見て、懸命に努力する少女『ジュン』を演じました。
寒風の吹く荒川土手でのロケ、川口駅での親友との別れのシーンなど、深く胸に残っています。
「キューポラのある街」-みなさまのお心に届きます様に!!
私と同世代の方々、また若者たちにもぜひご覧いただきたいと願っています。
そして、今、震災の翌年「北のカナリアたち」の上映会で石巻にうかがったことを思い出しています。
十年以上の年月が経ちましたが、頑張って来られたみなさまといつかお逢いしたいです。 2024年 みなづき
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