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江戸時代に世界一周、若宮丸知って! 新講談「漂流物語」 20日、仙台・洞林寺

 新講談「若宮丸漂流物語~ふるさとなお遠く~」が20日、仙台市若林区の洞林寺で上演される。仙台での上演は初めて。江戸時代に日本人で初めて世界一周した石巻若宮丸漂流民を広く知ってもらう機会になりそうだ。

 作者は石巻市出身で、石巻若宮丸漂流民の会会長の木村成忠さん(80)=仙台市=。口演者は元東北放送アナウンサー藤沢智子さん(65)=同=。藤沢さんによる生口演は昨年4月の東松島市野蒜市民センター以来2度目になる。

 新講談は、1793年に石巻から江戸に向かう途中で遭難、アリューシャン列島に漂着、日本との貿易を望んでいたロシア政府の保護の下、シベリアを横断しロシア帆船「ナジェージダ号」に乗せられて西回りで世界一周、1804年に帰国した千石船・若宮丸乗組員の数奇な運命をドラマチックに描いている。藤沢さんの方言を交えた語りが聞きどころ。

 木村さんは「新講談は漂流民の会の顕彰活動の一環。仙台市民に興味を持ってもらえれば」と期待する。

 当日はルシア塩満トリオによる「アルパコンサート」も同時開催される。アルパは中南米の民俗楽器で、ルシアさんは国内随一のアルパ奏者として知られる。

 プログラムは午後5時から新講談、6時からアルパコンサート。入場料は3500円。連絡先は主催のラテンアメリカ文化友好協会・佐藤さん090(6251)6079。

きょうNHK放映、漂流民・善六にスポット

 江戸時代に日本人で初めて世界一周した石巻若宮丸漂流民を題材にしたテレビ番組が12日午後7時半、NHK総合「東北ココから」で放映される。

 約30分の番組で、タイトルは「知られざる石巻の“漂流民”~船乗り『善六』からのメッセージ~」(NHK仙台放送局制作)。ロシアに帰化し通訳として日ロ外交の場に登場した善六にスポットを当てる。石巻若宮丸漂流民の会の木村成忠会長、平川新副会長(県慶長使節船ミュージアム=サン・ファン館=館長)、大島幹雄事務局長(石巻学プロジェクト代表)らに取材、漂流民の足跡を明らかにしながら実像に迫る。

 赤上真チーフプロデューサーは「日ロの文化の違いを受け入れたのが善六では。今につながるメッセージを読み解きたい」と話す。

 再放送が13日午前10時半からある。

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