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台湾に寄付 旧村長の縁、北村小卒業生が60万円 石巻

義援金の目録を斎藤市長(左)に手渡す遠藤委員長

 旧北村(現石巻市)村長だった木村匡(1859~1940年)が戦前に台湾商工銀行頭取などを務めた縁から、同市北村小の卒業生有志が立ち上げた実行委員会が12日、石巻市役所を訪問し、台湾東部沖地震への募金活動で集まった義援金60万6553円を斎藤正美市長に託した。

 木村は1875年、15歳で北村小の教師となり、翌年には校長に就いた。85年に旧文部省へ入省。95年から1900年まで台湾総督府に勤めた。台湾貯蓄銀行取締役兼支配人なども歴任。26年に帰国し、翌年に北村村長に就任した。

 29年に木村の顕彰碑を北村地区に建てた際には、台湾からも多額の寄付金があった。東日本大震災時にも大きな支援を受けたことから、有志が募金活動を企画し実行委を組織。5月下旬、活動の趣旨などを書いたチラシを市報とともに全戸配布し、6月まで寄付金を募った。

 市役所には遠藤俊委員長や木村のひ孫に当たる佐藤田鶴子さんらが訪問。遠藤委員長が斎藤市長に目録を手渡し「北村地区の住民でも功績を知らない人がいるので、若い人たちにも知ってほしい。台湾の復興に活用され、認知も上がってくれるとうれしい」と期待した。斎藤市長も「公務で台湾に行った際には地元の偉人の素晴らしさを広める」と述べた。

 住民による義援金は斎藤市長が17日に台湾の駐日大使館に相当する台北駐日経済文化代表処(東京)を訪れた際に届けられる。

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