石巻の老舗日本料理店「大もりや」、休業へ コロナ禍や物価高、宴会需要戻らず
石巻市穀町の老舗日本料理店「大もりや」が31日の営業をもって、いったん休業することになった。新型コロナウイルスが5類に移行した後も収支が改善せず、物価高による原材料費の高騰も影響したためとしている。
経営する大もり屋本店の大森信治郎社長(69)によると、2024年3月期決算で飲食部門が新型コロナ前水準の6割の売り上げにとどまった。このうち、全体の7、8割を占める宴会の収益が回復せず、他の部門で赤字を埋め切れなかったという。
大森社長は「昨年5月にコロナが5類に移行し宴会の需要回復に期待したが、さほど回復しなかった。歓送迎会や納会、新年会といった宴会を抑える傾向が常態化している」と話す。
コロナ期間中は、雇用調整助成金を活用し、従業員の雇用を維持して営業を続けた。スタッフには「料理の献立を工夫するなどよくやってくれた」と感謝する。
休業を決めた外的要因としては、売り上げが回復しない状態で給与水準を上げる社会的要請や要望に十分対応できないことや、物価上昇に伴う原材料費高騰を挙げる。
同店は創業131年。5代目となる大森社長は「新しいやり方を模索し、収益性のある形での早期再開を目指したい」と話した。
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