全国高校野球宮城大会 石巻勢の夏、3回戦で幕
第106回全校高校野球選手権宮城大会は15日、石巻市民球場など県内3会場で3回戦8試合があり、石巻勢で勝ち残っていた石巻、日本ウェルネス宮城がともに敗退した。石巻は仙台東に4-5、日本ウェルネス宮城は古川学園に0-1で惜敗。これで石巻地方の8校7チームの夏が終わった。
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石巻、逆転実らず競り負け
■3回戦(石巻市民球場)
仙台東 030110000-5
石 巻 022000000-4
(仙)渡辺、佐藤耀-荒川(石)今野、佐藤一、千葉健-千葉虎
【評】石巻は中盤から打線を封じられ競り負けた。追いかける展開で迎えた三回、無死満塁から佐藤大の左犠飛と平塚の適時打で逆転。守備では四回、同点とされた後の無死一、二塁を併殺でしのぐなどしたが、再びリードを許した後は打線がつながらなかった。
<石高らしさ貫く>
「この試合がずっと続けばいいのに-」。唇をかむ主将平塚の目から涙がこぼれた。3年間、石巻らしい考える粘り強い野球を貫いた。「最後まで31人で試合ができて幸せだった。自分たちの野球をやりきることができ、悔いはない」
選手たちは自分たちと同じく、粘りが武器の仙台東を相手に足の速さで守備を崩す攻めを狙ったが実らなかった。「やることは変わらない。焦らず、一つ一つプレーしよう」。ベンチから前向きに声をかけ合う選手たちは、最後まで笑顔と気合に満ちていた。
平塚は共に戦った後輩へ「石高らしい野球に誇りを持ち、悔しさを忘れずに、自分たちの野球をつくり上げてほしい」と言葉を贈った。
ウェルネス、好調打線が沈黙
■3回戦(鹿島台中央野球場)
日本ウェルネス宮城 000000000-0
古 川 学 園 00000100X-1
(日)新沼櫂我-新沼櫂里(古)木谷、桜井-高島
▽二塁打=外塚(日)
【評】ウェルネスは1点に泣いた。六回2死二塁から左前適時打で先制を許し、逃げ切られた。主戦新沼櫂我は尻上がりに調子を上げ8回1失点9奪三振の好投。しかし2試合で計27安打22得点の打線は沈黙。九回に2死満塁と詰め寄ったが、決め手を欠いた。
<主戦新沼「投球ほぼ完璧」>
「ほぼ完璧の投球ができた。2年連続で同じ相手に負けてしまったが、最後の夏、弟とバッテリーが組めて良かった」。ウェルネスの主戦新沼櫂我(3年)は晴れやかな表情で試合を振り返った。
立ち上がりから直球とフォークボールの高低差をうまく使い、序盤は古川学園に得点を許さなかった。「痛恨の1球」と話すのは六回2死二塁の場面。外角の直球が内に甘く入り、主砲の加藤に先制打を許した。
集中力が切れ、大崩れしてもおかしくない展開でも、弟で捕手の櫂里(2年)と「打線を信じよう」と気持ちを落ち着かせ、後続を断った。
櫂我は「また兄弟で野球をするかもしれない。卒業するまで弟をしっかりサポートする」と後を託した。
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