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特集・都市対抗野球 日本製紙石巻、本大会出場 > 攻守の要、期待の4選手

 若手とベテランの力がかみ合い、都市対抗野球2次予選東北大会を勝ち上がった日本製紙石巻。本大会でもチームが一丸となり、全国の予選を突破した強豪と戦う。攻守の要として活躍が期待される4選手を紹介する。

小林俊輔外野手

<長打力武器 先陣切る>

 積極性が持ち味のリードオフマンとして打線をけん引する。2次予選は全5試合に出場し、16打数8安打4打点。打率5割と快音を重ねた。「1次予選(県大会)から調子が良い。甘い球をしっかり振り抜けている」と手応えを語る。

 高校通算63本塁打を放ち、立正大を経て加入した2年目。ルーキーイヤーの昨季から長打力を武器に外野の一角を担い、主に1番打者として経験を積んだ。

 今季はボールを捉えるポイントをそれまでよりも前にするなど、フォームを修正。ミート力が向上し、結果もついてきた。

 本大会に向け、伊藤大造監督の助言を受けながら出塁率向上にも取り組む。「ツーストライクに追い込まれた時の対応が重要。1球でも多く粘って四球を選ぶなど、1度でも多く塁に出ることが自分の仕事だ」と意識する。

 大学時代も含めて東京ドームのグラウンドに立つのは初めて。「打線を勢いづけて、客席も盛り上げたい」。迷いのないプレーで攻撃の先陣を切る。

塚本峻大投手

<培った技術 常に磨く>

 抜群の制球力と的を絞らせない緩急自在の投球で淡々とアウトを重ねる。毎年選手が入れ替わる社会人野球のチームで、11年目のベテランは都市対抗の本大会を知る貴重な存在。培ってきたノウハウを若い投手に伝えながら、自身の結果にも追い求める。

 都市対抗の出場は補強選手も含めて7度目。そのうち5回はマウンドに立っており、経験が豊富だ。「ドームは社会人にとって特別なもの。独特の空気の中での試合は必ず成長につながる」と話す。

 昨冬、投球の幅を広げるためにスクリューボールを習得。得意とするカットボールやチェンジアップ以外にも引き出しを増やした。

 今季は先発から救援に回った。「試合を立て直したり、良いリズムで次にバトン渡したりなど、やることは多い」と役割を語る。

 チームの1勝に加え、自身初となるドームでの勝利投手が目標。「毎年、1段階上の投手になることを目指している。その準備はしてきた」。投手陣最年長がブルペンを支えている。

秋田稜吾投手

<精度を上げ雪辱誓う>

 最速152キロの直球を軸とする本格派投手。入社した2022年から先発として活躍し、主戦に成長した。「予選はスライダーのキレが良く状態は悪くなかったが、それまではファウルで済んでいた失投が痛打され、先発の責任が果たせなかった。借りは本大会で返す」と闘志を燃やす。

 いずれも七十七銀行(仙台市)とぶつかった東北第1代表を決めるトーナメントの準決勝と、第2代表の決勝で登板するも、5回をもたずに降板。何度も戦ってきたライバルはミスを見逃してくれなかった。

 「中途半端な高さに投げて打たれるぐらいなら、ボールになっても腕をしっかり振る。データを生かすだけでなく、一つ一つの球種の精度を上げないと勝てない」と話す。

 都市対抗には1年目の22年、JR東日本東北(仙台市)の補強選手として初出場。JR東日本(東京)戦で2回無失点と好投した。

 今回は念願だった自チームの試合でマウンドに立つ。雪辱を誓う右腕がドームで躍動する。

坂口雅哉捕手

<信頼築き勝利に導く>

 仙台大から今春加入し、扇の要として積極的に起用されている。「主にリーグ戦を戦う学生野球とは違う難しさがある。一発勝負の厳しい世界は毎日が勉強」と、社会人野球という新たなステージに食らいつく。

 大学では1年時、当時4年の宇田川優希(現・オリックス)から投手が好むキャッチングなどを学んだ。3年春に正捕手となり、昨年の全日本大学野球選手権では主軸打者として8強入りに貢献した。

 練習からブルペンや投内連携で多くの球を受け、コミュニケーションを取る。「同じカウントでも投手ごとに考え方が異なり、引き出しの数も違う。意見を聞きながら、最良の選択をする」と信頼関係を構築することの重要性を説く。

 これまでは守備と同じくらい打撃にも自信があったが、東北大会は打率1割台と苦しんだ。「社会人は決め球以外の球も精度が高い。駆け引きに勝つことや、一振りで仕留める確実性が必要」。成長しながらスタメンに定着し、チームを勝利に導く。

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