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水害対策、楽しく学んで 児童向けの絵本を制作 北上川下流河川事務所

流域治水を紹介する絵本。イラストと文字で分かりやすくまとめた
北上小で行われた出前講座

 河川の流域全体で水害対策に取り組む流域治水について理解を深めてもらおうと、国土交通省北上川下流河川事務所は、児童らを対象にした絵本「流域戦隊 チスイレンジャー」を制作した。気候変動で水害が激甚化・頻発化していることを踏まえ、町と命を守るためにできることを考えてもらう狙い。職員がオリジナルのキャラクターとストーリーを考案した。

 絵本はA5判、見開き10ページで、住民がチスイレンジャーに変身して大雨被害から町を守るストーリー。大きな川が流れる町で、大雨を降らせるモンスターが登場。地球温暖化を味方に付け、激しい雨で町を水浸しにしようとする。

 そこで地域の人々が立ち上がり、レンジャーとなってさまざまな必殺技を繰り出す。「森羅万象グリーン」の技は植林、「ライスイエロー」は田んぼダム、「セキュアパープル」は避難を呼びかけたりハザードマップを確認したりと、技の内容から水害対策を学べるようにした。

 石巻市北上小(児童62人)で5日、出前講座があり、制作を担当した流域治水課の及川日花梨さん(23)が絵本の読み聞かせをした。児童や保護者ら計約110人が参加。6年の佐藤ほのかさん(11)は「アニメみたいに説明してくれて分かりやすかった。お風呂に水をためておけば対策になると思った」と語った。

 絵本は1000部を制作し、講座などで活用している。及川さんは「一般の方に知られていない流域治水を広報する資料が必要だと思った。治水や防災について考えるきっかけにしてもらいたい」と話す。

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