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心肺停止の女性救護 特養「仁風園」を表彰 石巻地区消防本部

感謝状を受け取った中村施設長(中央)と職員ら

 石巻地区消防本部は、心肺停止の状態で倒れていた70代女性を迅速な救護処置で救ったとして、石巻市大森の特別養護老人ホーム仁風園を表彰した。日頃から命の危険と向き合っている知識と経験を生かし、人命を救った。

 施設内で5月25日、清掃業務を担う派遣職員の女性が倒れているのを中村泰仁施設長が発見。すぐに事務室の職員に知らせ、119番した。

 介護支援専門員ら3人は、救護活動をしやすい会議室に女性を運んだ。看護職員ら3人が施設にある自動体外式除細動器(AED)を使い、胸骨圧迫や人工呼吸を施した。計10人の職員が連携し、救急隊が到着した時には心拍と呼吸が回復していた。

 女性は業務を終え、施設を出る途中に正面玄関で倒れた。事務所に立ち寄った際はいつも通りの様子だったという。中村施設長は「入居者でない人が倒れるのはイレギュラーだったが、これまで通り救護活動を実践することができた。助けられてうれしい限りだ」と語った。

 施設では入居者に対してAEDを使用する機会が多く、各職員が処置方法を身に付けていた。また、救急隊への引き継ぎ方法も確認していたため、ストレッチャーに乗せやすい体位にしたり、名前や年齢など伝えるべき情報を事前に確認したりして、スムーズに受け渡すことができた。

 中村施設長は「救急隊に迅速に引き継ぐためには、処置と同時に必要な情報を集め、伝えることが大切。分からないことは分からないと言うことも大事だ」と話した。

 表彰式が16日、消防本部であった。中村施設長と救護活動に尽力した職員2人が出席し、大内正治郎消防長から感謝状を受け取った。

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