石巻北高生、自慢のコメをおにぎりに 女川・出島で交流 震災きっかけ
石巻北高食農系列の3年生らが24日、女川町の離島・出島を訪れ、食事や庭仕事で島民と交流した。同校には東日本大震災後、一部島民が身を寄せ、体育館で避難生活を送った。震災がきっかけで生まれたつながりを生かし、授業の成果を地域に還元した。
生徒13人は寺間、出島の両地区に分かれて活動。出島集会所では同校で生産したひとめぼれ3.6キロを使っておにぎりを握り、島民約10人に振る舞った。
島民はシャケやホタテなどを持ち寄った。偶然にもウニ漁の解禁日と重なり、朝に捕った新鮮なウニも食卓に並んだ。
生徒と島民は互いのもてなしに舌鼓を打った。木村トリ子さん(90)は「とてもおいしい。島は高齢者しかおらず、生徒はみんな孫のような感覚」と交流を喜んだ。村上拓人さん(17)は「おにぎりの塩加減を授業で研究したかいがあった」と話した。
昼食後、生徒らは鉢植えの花で集会所を飾ったり、住民宅の家庭菜園の手入れを手伝ったりした。島と本土をつなぐ船の出航時間が近づくと「また来ます」と手を振って島民と別れた。
出島は震災で甚大な被害を受け、一時孤立。多くの住民がヘリコプターで島を離れ、石巻北高などで避難生活を送った。交流は震災の十三回忌に合わせて昨年度始まった。震災時から同校に勤める高橋伸芳教諭は「農業教育は地域とどう関わるかが大きな柱。交流を通じて生徒は社会との接点を学んだと思う」と話した。
生徒らは12月を予定する出島架橋の開通後も来島し学校で育てたネギやシクラメンなどを島に届ける。
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