地域おこし協力隊 千葉出身の長谷川さん委嘱 女川の水産資源開発へ
女川町は、地域おこし協力隊に千葉県浦安市の長谷川翔亮(しょうすけ)さん(29)を委嘱した。町のNPO法人アスヘノキボウに所属しながら、高級食材として知られるトリガイの種苗生産技術の確立を目指し、女川の新たな水産資源開発などに取り組む。任期は最長3年。
長谷川さんは千葉市出身。東大を中退し、2017年に米ブラウン大を卒業後、三菱商事、Uber Eats Japan(ウーバーイーツジャパン)を経て、21年からOishi Farm Corporation(米国)に入社した。
米国では最新鋭の植物工場の工場長などを務めた。仕事をする中で環境負荷が低い動物性タンパク源として、トリガイに大きな可能性を感じ、種苗生産の基礎技術を学ぶため今年1月、日本に帰国。熊本県内の生産者の下で技術の習得・研究に励んできた。
トリガイは高タンパク低カロリーな食材として、注目を集める。成長速度が他の貝類より早く、近年、高水温の影響で養殖の水産物に影響が出ていることから、新たな水産資源として期待されている。
協力隊への応募は、東北地方を拠点にトリガイの研究をしたかったことや、友人を通じてアスヘノキボウを紹介され、女川が若い世代や移住者がまちづくりに積極的であることなどに魅力を感じたからだという。
町役場で19日にあった委嘱状交付式で、須田善明町長は「数ある自治体から女川を選んでくれて感謝する。水産資源のあり方については町も課題にしているので、できることは協力したい」と話した。
長谷川さんは「生産技術の確立だけでなく、簡易的な研究施設(ラボ)も設立したい。町民の方々と交流しながら貪欲に成果を残したい」と意気込んだ。
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