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子育てと介護の縁側・今日も泣き笑い(2) 離乳食と介護食 試行錯誤で献立考える

柴田家の夕食の風景。夫の姉(右)が週の半分ほど手伝いに来てくれ、子どもたちもすっかり懐いている
世代を問わず人気の果物は、おやつやデザートにありがたい1品。祖父と孫が協力してスイカの種を取る

【石巻市・柴田礼華】

 わが家は、どちらも86歳の夫の両親と、私たち夫婦、4歳の長女、1歳の次女の3世代6人で同居しています。子育てと介護のいわゆるダブルケア真っただ中の暮らしをしていると、日々いろんな発見があります。

 昨年9月、次女が5カ月になる頃、ぼちぼち離乳食を始めなければと思っていたのと同時に、義父が帯状疱疹(ほうしん)やら熱中症やらで体調を崩し、みるみる痩せてしまいました。

■父の食欲が減退

 元々体育の先生だった義父は、お酒は飲まず食べることが大好き。80歳を過ぎても回転ずしは10皿以上で、ステーキもウナギも揚げ物も大好物。食へのこだわりや興味は人一倍でした。

 「食事は栄養を摂取するためのもの。出されたものは残さず食べる」というストイックな元看護師の義母より、宿屋の娘で小さい頃からおいしいものに囲まれてきた私の方が食いしん坊仲間として馬が合っていたのですが、体調を崩してからは4歳の長女より食べる量が少なくなってしまいました。

 ちなみにわが家のご飯作り事情は、以前は義母がメインで担当してくれて、週1、2回、私がパスタや肉料理といった義母が作らないものを調理したり、たまに義父が柴田家直伝の鶏がらスープを振る舞ったり、夫がラーメンやチャーハンを作ったりしていました。2019年秋に義母が認知症を発症したタイミングでメインは私に交代しました。

 認知症になった主婦の方が、台所を明け渡すのを嫌がって、でも調理は危険だから困る…という話を聞いたことがありますが、元々キャリアウーマンだった義母は「代わってもらってラッキー」という感じであっさり台所を譲ってくれました。

 食欲のない義父が何だったら食べられるんだろう…。いろいろと試行錯誤した結果、白がゆと自家製のノリのつくだ煮に落ち着きました。

 おかゆは簡単そうですが、意外と手間暇がかかります。電子レンジや炊飯器で作る方法もありますが、レンジや炊飯器がふさがってしまうと他のおかずを作るのに不便なので、私はお鍋で炊いていました。吹きこぼれないように火加減を調整したり、焦がさないようにかき混ぜたり…。「おかゆでいいよ」なんて気軽に言ってはいけないですね。次女の離乳食にも必要だからと割り切って、毎日おかゆ作りに励みました。

■共通点に気付く

 そこで気付いたのは、介護食と離乳食は極めて近いということ。柔らかく、細かく、とろみを付けて、刺激物は使わない。幸い気候が涼しくなるにつれて義父の体調は回復し、次女の離乳食が進むとともに、固形物も食べられるようになりました。

 1歳から86歳までおいしく食べられる献立を考えるのは至難の業ですが、ゲームを攻略する感覚で毎日楽しく戦っております。

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