中里交番増員を 石巻市と市議会、県警に地域治安維持訴え 大瓜駐在所、来春廃止
石巻署大瓜駐在所の来年4月の廃止、中里交番への統合が決まったことを受け、石巻市と市議会は30日、地域の治安維持のため、同交番の警察官増員を県警に要望した。同駐在所は東日本大震災後に多くの住宅や公共施設が整備された稲井地区にあり、市と市議会などは2022年11月、県警に廃止方針の撤回を求めていた。
斎藤正美市長や遠藤宏昭議長、西條正昭副議長ら計9人が石巻署を訪問。赤間博之署長に要望書を手渡した。斎藤市長は「大瓜駐在所と中里交番は約3キロ離れており、住民からは有事の対応を危惧する声が上がっている。今と変わらず稲井地区の住民を守るため警察官を拡充してほしい」と訴えた。
稲井地区は震災以降、被災した他地区からの移転者で人口が増加。市複合文化施設や市総合運動公園などもあり、地域住民が駐在所の統廃合に反対していた。
県警は22年度から、交番の24時間体制による警察機能の強化や1人勤務体制の見直しの一環で、同駐在所の統廃合を検討。今年1月に正式決定した。
赤間署長は「要望は市や市民の皆さまにとって切実かつ重要なことだと認識している。本部と協議して善処していく」と回答した。
県警警務課によると、同駐在所は廃止後、連絡所として活用していく方針。巡回警察官の立ち寄りなども行うほか、外壁に設置している非常連絡電話と赤色灯は運用し続ける。
市と市議会は交番の増員のほか、市内9カ所の交差点などへの信号機設置も要望した。県警本部にも同日、要望書を提出した。
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