石巻川開き祭り・最終日 市民の熱気、猛暑蹴散らす
石巻川開き祭りは最終日の4日、石巻市中心部を舞台に多彩な行事を繰り広げた。水上行事「孫兵衛船競漕(きょうそう)」は一般、ミニの部ともに熱いレースを展開。小学生の鼓笛隊は目抜き通りを華やかに行進し、沿道を沸かせた。
孫兵衛船競漕
孫兵衛船競漕は、北上川の住吉公園前に設けた550メートルのコースで準々決勝から決勝までを行った。一般の部には34チームが参加し「GreenArrow」(航空自衛隊松島基地)が初優勝。9チームが出場したミニの部は「織姫モンスターズ」(石巻市役所)が5連覇を達成した。
■一般の部
2位の石巻地区広域消防と1秒差という接戦を制し、初優勝を果たした。島金哉代表(47)は「厳しい戦いだったが、自分と仲間を信じて勝つことができた」と笑みを浮かべた。
基地の救難隊員で結成し、2022年から3回目の出場。昨年は、準決勝で優勝した「富国工業」に数センチ差で惜敗。今年も準決勝で顔を合わせ、13秒差でリベンジを果たした。
23~47歳の12人で構成。1人も欠けることのできない状況で、気持ちを一つにして挑んだ。島代表は「来年は王者として川開きを盛り上げたい」と意気込んだ。
■ミニの部
ミニの部決勝は、2秒弱の間に3チームがひしめく大接戦。終盤抜け出し、5連覇を飾った。メンバーの秋山美穂さん(28)は「諦めない気持ち、最後の粘りはどのチームにも負けない」と胸を張った。
大会前の雨続きで、十分な練習量を確保できなかったという。それでもスタート練習を重ねるなど仕上げ、本番では息の合ったオールさばきを見せた。
「エントリー外の選手を含め、全員の力でつかんだ優勝」と秋山さん。表彰式後、チームは円陣を組んで手を突き上げ「来年は6連覇だ」と早くも先を見据えた。
15校、小学生鼓笛隊パレード
4日の陸上行事は小学生鼓笛隊パレードで始まった。旧石巻市内の15校が参加。児童らは学校ごとに心を一つにし、軽快な音楽を奏でながら中心市街地を元気に行進した。
釜小を先頭に各校が出発点の石巻小を次々とスタート。アイトピア通りと立町大通りの約850メートルを練り歩いた。児童は太鼓や鍵盤ハーモニカ、トランペットなどを演奏。旗やバトンの演舞もパレードを盛り上げた。
沿道で見守る保護者らは色とりどりのユニホームを着た子どもたちが近づくと、大きな拍手で出迎え、堂々としたパフォーマンスを写真や動画に収めていた。
石巻小は5、6年生計89人が校歌、伝承歌「だるま」、「鉄腕アトム」の3曲を奏でた。指揮者を務めた6年高橋瑞季さん(12)は「緊張したが、沿道にいる人たちの笑顔を見ることができて良かった」と話した。
鹿妻小も5、6年生90人が参加。校歌と「ルパン3世のテーマ」を披露した。カラーガードを担当した6年阿部琉生さん(12)は「手を振ってくれたり『頑張って』と声援をくれたりする人がいて、こちらが元気になれた」と笑顔だった。
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