子育てと介護の縁側・今日も泣き笑い(5) ピンチは突然に 義父の入院、連係綱渡り
【石巻市・柴田礼華】
ある雨の月曜日、午後4時半。幼稚園から帰ってきてテレビを見ている4歳の長女。長女の近くをハイハイしている1歳の次女。デイサービスから帰ってきてソファでひと息つく義母。夕飯の支度をしながら3人の見守りをする私。以上4人がぼちぼちデイサービスから帰ってくる義父を待ちながら居間におりました(夫は仕事のため6時過ぎに帰宅予定)。
「ピンポーン」。チャイムが鳴り、私は次女を抱っこして玄関へ。いつもなら「ただいまー」と元気よくあいさつしながらデイサービスの職員さんに送られてくる義父が「礼華ちゃん、話聞いといて」とヨロヨロしながら家に入ってくるではありませんか。
職員さんに話を聞くと、デイサービスで入浴中に息苦しくなり、血圧が高く、酸素飽和度も80台まで落ちているとのこと。「おうちで気を付けてみてあげてください」と言われ、とっさに頭の中は超高速で回転。「外は雨」「家には老人2人と幼児2人」「時間は午後4時35分」
■家族動員し搬送
取りあえず、夫と、夫の2人の姉が入っている通信アプリLINE(ライン)の家族グループラインに大急ぎで義父の様子を送り、協力要請を求む。次に車で10分の義父のかかりつけ内科に電話をして、診察時間ギリギリだけど診てもらえるか相談。今すぐ来られるなら診てあげるとのこと。
寝室で横になっていた義父に「夜中に具合が悪くなったら大変だから今のうちに病院へ行きましょう」と声を掛け、なんとか自力で車に乗ってもらい、長女に「せんじい(義父)具合悪いから病院に行くよ。おっかあ大変だから手伝ってね」と伝えると、4歳なりに深刻な事態だと理解したらしく、すんなり車へ。
1歳、4歳をそれぞれチャイルドシートに乗せ、事態をあまりのみ込めてない義母にも「とにかく急いで病院行かなきゃいけないから乗ってください」と乗ってもらって一路病院へ。
着いてすぐにエックス線検査と診察をしてもらい、結果は左肺の自然気胸。左肺に穴が開き、つぶれた肺が心臓を圧迫しているので呼吸がかなり苦しい状態になっていたのでした。早急に処置すべき状況とのことで、先生が紹介状を書いてくださり、今度は石巻赤十字病院へ行くことに。
■接客経験生きる
そのタイミングで夫の姉が合流し、義母、長女、次女のお世話を引き受けてくれたので、私は義父を連れて赤十字病院の救命救急センターへ。現地で夫が合流し、義父の付き添いをタッチ交代。私は子どもたちが待つ自宅へ。
幸い処置はうまくいき、6日間の入院の後、元気に退院できましたが、元々心臓や血管に持病を抱えている義父。結構危険な状況だったようです。
あの日を振り返りながら文字にしている今この瞬間も心臓がバクバクしてきました。文字通り綱渡りの日々。ホテル勤務時代にお客さまトラブルで鍛えられた経験が存分に生かされております。
関連リンク
- ・子育てと介護の縁側・今日も泣き笑い(4) 風が抜ける縁側 多世代の生活にゆとり(2024年7月31日)
- ・社会的孤立、地域の理解を 交流スペース開設1年、東松島市社協運営 安心できる場に
- ・住みよい地域へ 住民自治組織・河北まちづくり協議会、設立 石巻市で9地区目
- ・技能実習生ら、石巻でサッカー交流 地元と4カ国、6チームが熱戦
- ・記録的大雨 秋田・由利本荘市で日本カーシェア協活動 貸し出し車両の寄付募る