サンマ来遊量、今季も低水準 石巻の研修会で見通し報告
水産庁が7月30日に公表した「サンマ長期漁海況予報」で、今季の日本近海におけるサンマの来遊量が、昨年と変わらず低水準となる見通しが示された。8月1日には、石巻市渡波の県水産技術総合センターであったさんま漁業研修会で報告された。
同庁の委託を受ける国立研究開発法人水産研究・教育機構が北西太平洋で調査した。予報によると、今季の漁場は8~9月にかけて北海道から千島列島のウルップ島の東方沖東経150~160度の公海に形成される。漁獲に占める1歳魚の割合は約20%だった昨年並みだが、体重は昨年の100~120グラム台を下回り、80~100グラム台になる。
全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)の発表によると、2023年の全国のサンマ水揚げ量は、過去最少だった22年に比べ36%増の2万4433トンだった。前年を上回ったものの、過去3番目の低水準にとどまる。県内では前年比38%増の4924トンが水揚げされたが、5年連続で1万トンを下回り深刻な不漁が続く。
さんま漁業研修会には、市内の漁業関係者ら約40人が出席。県水産技術総合センター環境資源チームの伊藤博上席主任研究員は「16年以降は親潮が県沿岸まで南下せず高水温になる傾向で、取れる魚種に変化が起きている。今季は痩せたサンマが多くなる予想だ」と説明した。
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