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高校生がガイドに挑戦、体験織り交ぜ解説 石巻・震災伝承交流施設「MEET門脇」

館内の展示について解説するボランティアガイドの生徒(右)

 石巻市内の高校生ボランティアが8日、東日本大震災の記憶や教訓を伝えるガイドに挑戦した。高校生は同市門脇町5丁目の伝承交流施設「MEET門脇」で、施設のスタッフらから学んだ内容、知識や経験を織り交ぜながら、来館者を案内した。

 高校1~3年生4人が参加し、施設を運営する公益社団法人3.11メモリアルネットワークが受け入れを担った。施設内の写真やパネル、犠牲者の遺物といった展示を4人が分担して解説。周辺の市震災遺構門脇小や石巻南浜津波復興祈念公園についても紹介した。

 石巻高1年村松玲里(れいり)さん(15)は、避難後の行動などを問う展示を担当。1階が浸水した避難先に流れ着いた食料品を食べるかどうかといった質問を来館者に投げかけた。村松さんは「子ども向けの展示なので、明るく、飽きられないような話し方を意識した」と語った。

 石巻好文館高3年原口大樹さん(18)は震災当時、青森県三沢市にあった自宅でライフラインが断絶する被害を受けた。自身の被災体験を語り「夜はとても寒くてろうそく1本で堪えるしかなかった。非常食はあったので何とか食いつないだ」と備えの重要性を訴えた。

 7日には市震災遺構門脇小やMEET門脇を見学し、当時門脇小の児童だった女性やメモリアルネットの案内を受けて独自のガイドを考案した。スタッフの藤間千尋さん(46)は「自分なりにどうしたら伝えられるか、必死で考えたことが伝わった」と話した。

 ガイドは市内の一般財団法人「まちと人と」のプログラムで、石巻地方の高校生が地元事業所でボランティアに取り組む「まきボラ」の一環で実施された。

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