女川湾の戦没者弔う 慰霊祭、関係者30人参列 「後世に伝えていく」
1945年8月9、10の両日、女川湾で連合国側との激しい戦闘の末、撃沈された旧日本海軍の海防艦「天草」などの犠牲者158人を弔う「女川湾戦没者慰霊祭」が10日、女川町の鷲神公園にある慰霊塔前であった。
主催する「女川湾戦没者を慰霊する会」の木村征郎代表(79)や、父が女川湾の戦闘で一命を取り留めた秋元美代子さん(70)=千葉県船橋市=ら関係者約30人が参列。献花し、戦没者の冥福を祈った。
木村代表は「79年前、激しい空襲で女川湾は地獄絵図だったという。現代の平和は先人の犠牲の上にあることを後世に伝えていく」とあいさつした。
秋元さんは、89歳で亡くなった父井出三郎さん=東京都=が戦後にしたためた手記を紹介。女川防備隊の一員として第42号駆潜艇に乗船中に銃撃され、防空壕(ごう)や石巻赤十字病院で手当てを受けた回想を朗読した。
秋元さんは「父は奇跡的に助かったが、左脚を切断し、生涯右肩に弾丸が残ったままだった。犠牲になった仲間の方を思うと言葉がなく、手を合わせたいと参加した」と明かした。
慰霊塔は「女川海友親和会」の有志らが私財を投じて66年8月、同町石浜の崎山公園に建立した。東日本大震災の影響で地盤に亀裂が入り、2021年に現地に移設された。
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