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不漁原因学ぶ 石巻で海洋環境セミナー 県水産技術総合センター主任研究員が解説

海洋環境が変化する要因や養殖業への影響などが解説されたセミナー

 宮城の海洋環境と水産資源の変動について考えるセミナーが、石巻市中央2丁目の石巻商工会議所で開かれた。同会議所が主催し、石巻魚市場や市内の水産加工会社の社員ら約50人が出席した。

 県水産技術総合センターの伊藤博上席主任研究員が講師となり、近年続く高水温や不漁の原因などを解説した。

 伊藤氏によると、2016年ごろから宮城の海域で高水温が目立つようになり、寒流の親潮の南下が弱まっているという。17年以降は日本の太平洋岸を流れる暖流の黒潮が南に大きく迂回(うかい)する「大蛇行」も発生し、魚の生息域が変化している。

 今後については「親潮が2、3年連続して強く南下しない限り、水揚げの回復は難しい」と依然として厳しい状況にあると述べた。

 また高水温に関係し、出荷が遅れたり、へい死や夏腐れ、生産スケジュールの調整を強いられる養殖業への影響も話題に挙げ「高水温に対処するには、水温が低い漁場や深い水深帯への生産物の移動、生産工程および作業時期の見直しが必要になるかもしれない」と見通しを示した。

 セミナーは7月17日に開かれた。

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