岸田首相、総裁選不出馬表明 石巻地方の首長、驚きやねぎらい
岸田文雄首相は14日、自民党派閥の裏金事件の責任を取り、9月の党総裁選に立候補しないことを表明した。石巻地方2市1町の首長からは驚きやねぎらいの声が上がった。
石巻市の斎藤正美市長は「残念だが、総裁として自らけじめをつけ、立派だと感じた」と語った。首相就任直後に東日本大震災の被災地視察に訪れたことに触れ「心の復興や経済の立て直しなど問題意識を共有してもらっていた」と感謝した。次期首相には「地方を大切にし、地域間格差の是正に取り組んでほしい」と期待した。
「法律改正などでさまざまな実績を上げていたが、党の問題で国民の信頼を得られなかった」と話したのは東松島市の渥美巌市長。「新型コロナウイルスや急激な円安、物価高騰など状況も厳しかった」とおもんばかった。次期首相には東京一極集中の是正や、地球温暖化対策での国際的なリーダーシップを求めた。
女川町の須田善明町長は「新型コロナ対策やその他の課題にも地道に取り組み、道を切り開いた」と評価した。一方で「国民が政治に厳しい目を向けている。(自民党の)看板が変わればいいというわけではない」と指摘。後任に関しては「地方の痛みを理解し課題解決を進めるだけでなく、社会保障システムの見直しや災害対策にも目を向けてくれる人がいい」と述べた。
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