東松島・野蒜海岸ビーチコートの利用増 競技関係者の評価、上々 地域振興に期待
広大な砂浜でさまざまなビーチスポーツを楽しめる東松島市の野蒜海岸ビーチコートは、市が2022年に整備して以降、ビーチバレーの県大会が開かれるなど年々注目度が高まっている。競技関係者の評価も上々で、大会などの誘致により、東日本大震災で被災した野蒜地区の振興につながると期待される。
ビーチコートは広さ2940平方メートル。市が22年6月から砂の搬入、コートラインや外周ネットの設置などを行い、同年7月から使用が始まった。利用料は無料。ビーチバレー用のネットやテニスネット、バレーボールの貸し出しも行っている。
市生涯学習課によると、開設後の利用件数は22年度76件、23年度113件。本年度も6月末時点で、JFBTビーチテニスツアー2024東松島オープンビーチテニス大会(日本ビーチテニス連盟県支部主催)など58件が決まっている。
このうち7月6、7日に行われた県ジュニアビーチバレー選手権には男女計47チームが出場。選手ら大会関係者からは、全国規模の大会と遜色ないコートの広さ、常設のコートラインなどを評価する声が聞かれた。
主催した県ビーチバレーボール連盟の早坂馨理事長は取材に対し、大学生選手が30年ほど前から野蒜海岸で練習していることを説明。「これほど広いコートは東北では他にない。今後も市と連携しながら、野蒜海岸で大会を開いていきたい」と語った。
日よけなし、砂に貝殻…整備拡充を望む声も
野蒜海岸ビーチコート近くには日差しを遮るような建物や水道がなく、コートに貝殻が埋まっていたため、ビーチバレー競技関係者からは選手の体調不良やけがを心配する声も挙がった。海岸最寄りの仙石線野蒜駅が震災後、海岸から遠い高台に移転したことから「車が使えない高校生には不便」との意見も出た。
市は今後、海岸の後背地にあるトイレや駐車場を活用し、ビーチサッカーコートを設けるなど、さらなる整備を検討している。
同課の担当者は「ビーチスポーツ経験者だけでなく、市内外の多くの人に利用してもらい、野蒜地区の活性化につなげていきたい」と話した。競技関係者の指摘については「貝殻を100%取り除くことは難しいが、ビーチクリーン作戦などを通して除去に取り組む」とした。
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