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船で出島へ墓参り 架橋前、最後のお盆 女川

墓前で手を合わせる元島民=15日午前8時40分ごろ、女川町の出島

 12月に女川町の本土側と橋で結ばれる同町の離島・出島で、島ゆかりの人々らが船で島に渡り、お盆の墓参りをしている。「出島架橋」(全長364メートル)が開通すれば自家用車で行けるようになり、元島民の多くが女川港から出る離島航路を利用して墓参りするのは最後になる見込み。

 15日午前6時50分、女川港発の第1便にはお供えの花などを持った元島民らが乗り込んだ。女川町の事務職阿部裕哉さん(52)は弟の裕孝さん(48)=仙台市泉区=、その妻良江さん(48)と約1時間後、出島港で下船した。

 中学まで島で生活した阿部さん。出島港近くにあった実家は、東日本大震災の津波で流失した。高台の墓地では30分ほどかけて墓石を布で丁寧に拭いたり、周囲に積もった落ち葉をほうきで掃いたりした後、そろって墓に手を合わせた。

 工事が進む橋を眺め「来年は車で来られるが、船で島に帰るわくわく感もあった。自然豊かなのが島の魅力で、橋ができたらすぐに渡りたい」と話した。

 離島航路を1日3便運航するシーパル女川汽船(同町)は13、14日、臨時便を1便ずつ増やした。同社によると、通常時は1日延べ約40人が利用するが、13、14日は各日とも約200人が乗船。橋が完成することから、お盆の臨時便は今回で最後という。

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