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終戦の日「命の尊さ伝えていきたい」 石巻神社で戦没者慰霊祭 2243柱祭る

戦没者の冥福を祈り、黙とうをささげる出席者

 79回目の終戦の日を迎えた15日、石巻市日和が丘1丁目の石巻神社で戦没者慰霊祭が開かれた。遺族や関係者約20人が出席し、黙とうや玉串をささげて犠牲者の冥福を祈った。

 石巻神社は日清、日露、太平洋戦争などの旧石巻市内の戦没者2243柱を祭る。参列者が黙とうをささげた後、市内の3神社が合同で神事を行った。

 石巻神社奉賛会の清水石孝会長(86)は「先人の尊い犠牲による礎があったから今の日本や私たちの生活がある。感謝の念を胸に抱き続けたい」とあいさつした。

 県連合遺族会石巻支部の中沢敏勝副支部長(86)は7歳の時、父親の清一郎さん=当時(33)=を硫黄島で亡くした。出征の日、清一郎さんの軍服にすがりながら近所の神社まで見送りに行ったことを覚えているという。中沢さんは「戦没者が命をかけて示した戦争の悲惨さや命の尊さを伝えていきたい」と話した。

 慰霊祭が開かれた同神社の神殿「彰徳館」には、親族が収めたとされる戦没者約1300人分の写真が祭られている。出席者の田村信穂さん(77)は写真を見つめ、戦地で命を落とした一人一人の人生に思いをはせた。

 田村さんの父杉穂さんはインドネシア・ジャワ島に出征して無事に帰ったといい、「父が亡くなっていれば私は生まれなかった。写真の戦没者たちは若くして戦死された。言葉にもならない」と平和の尊さをかみしめた。

戦没者の写真を見つめる田村さん。写真には一人一人の名前が記されている

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