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海難犠牲者絶無願い、祈りささげる 石巻地方で慰霊祭

■東松島 避難の教訓、伝承誓う

犠牲者の死を悼み、手を合わせる参加者ら

 東日本大震災と水難事故の犠牲者らを弔う合同慰霊祭が16日、東松島市大曲の寿昌院で開かれた。震災で亡くなった大曲浜、浜須賀両地区の316人と海難・水難事故の犠牲者207人の冥福を祈った。

 地区住民らで組織する大曲浜区委員会と県漁協矢本支所の共催。遺族ら約20人が参列し、祭壇に手を合わせた。

 三浦正信委員長(70)は「災害はいつでも起こり得る。大切な命を守る避難行動の重要性を語り継ぎたい」とあいさつした。

 支所の及川輝明運営委員長(65)は「震災の光景は13年がたっても脳裏を離れない。行方不明者が一日も早く家族の元に戻れるよう祈る」と話した。

 合同慰霊祭は2012年から毎年お盆に実施。例年は寿昌院上台墓地に建立した慰霊碑前で行っていたが、台風7号接近の影響で本堂での開催になった。

■女川 読経合わせ参列者焼香

海難殉難者の慰霊をする出席者

 海難事故の犠牲者を供養する海難殉難者慰霊祭が16日、女川町観光協会の事務所前であった。参列者は海に向かって手を合わせ、犠牲者の霊を慰めた。

 おながわみなと祭り協賛会と町が共催し、町職員や町議会、商工会、魚市場、県漁協の関係者ら15人が出席。照源寺(女川町浦宿浜)の三宅哲也さんら町内の住職5人が読経した。

 参列者は焼香し、女川港に向かって冥福を祈った。

 須田善明町長は、2006年に女川港沖で起きた気仙沼市のサンマ船の遭難事故を挙げ「漁は自然が相手なので、胸が痛くなる。仕事の中で命を失ってしまった人もいる。今後も女川が海の町であり続けられるように祈りをささげ、行事を続けたい」と語った。

 協賛会によると慰霊祭は、みなと祭りが始まった1962年ごろから実施しているという。

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