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石巻地方の工場探訪(4) マルカ高橋水産(石巻市雄勝町雄勝)

タコの足1本を丸ごとあぶった主力商品の製造レーン

<主力は活タコ炙り焼き>

 水槽と酸素ポンプなどを完備したトラック(活魚車)や雄勝町内にあるいけすから北海道・三陸沖産のミズダコが次々と工場に運ばれる。冷凍しないことでタコが本来持つ身の柔らかさや甘みを維持できている。

 工場の目の前には天然の良港として知られる雄勝湾が広がる。「タコは環境変化に敏感。高品質な商品を消費者に届けるために雄勝の自然は適している」。製造部兼BtoC事業部の高梨育臣(なるみ)さん(24)が企業の立地環境を力説した。

 工場内で、1日1トン製造することもある主力商品の製造過程を見せてもらった。解体、焼き、梱包(こんぽう)と出荷までに大きく3工程に分け、部屋ごとに作業を展開している。

 「活タコ 炙(あぶ)り焼き」は足を1本使用し、1200度の火で焼き上げる。訪問日も社員が暑さと戦いながらレーンを流れる商品の出来を確認していた。

 設備の増設も進み、本年度は鮮度維持のための急速冷凍庫、タコを真空パックにする機械を導入。作業効率を上げている。

 マルカは世界に活タコのおいしさを届けることを目標に掲げる。高梨さんは「期待に応えるため、商品の質を今後も高めたい」と語った。
(大谷佳祐)

良港を抱える雄勝湾を背に建つ事務所兼工場

■メモ 
 1988年創業。当時はタコ以外にも雄勝で水揚げされた水産物を仙台市場などに販売する鮮魚卸事業を行っていた。海外展開にも力を入れ、米国にある日本の大手すしチェーンで自社商品が提供されている。従業員21人。石巻市雄勝町雄勝上雄勝150。

マルカ高橋水産

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 1次産業から宇宙まで、石巻地方には地域や全国のさまざまな産業を支える工場が多数立地する。職人技や最新設備が詰まった工場内部を巡る。=随時掲載=

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