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石巻地方の工場探訪(6) マルヒ食品・東松島工場(東松島市大塩)

弁当のトレーに手作業でおかずを詰めていく

<野菜を冷凍加工、卸売りや介護食製造も>

 東松島市のグリーンタウンやもと工業団地で1月、稼働を始めた。県内の学校給食施設に卸す冷凍野菜などを製造販売する。

 ズッキーニやカボチャ、パプリカなど多種多様な野菜を冷凍加工する。作業は洗浄に始まり、調理法に合わせたカットや加工、包装を工場内で完結する。

 今が旬の枝豆は多い日でさや付き3トンを加工。1時間に130キロ処理する専用のむき機がフル稼働する。

 収量が直前の天気に左右される生野菜と比べ、冷凍野菜は安定供給が見通せる。数カ月先まで献立を決める給食施設にとって、確実に食事を届けるための力強い味方だ。農作物の流通量で収益が大きく変わる農家にとっても、安定価格で出荷できる取引先になっている。

 阿部幸也代表取締役(70)は「一度作付けをやめた畑は元に戻らない。農業を生産者が生活でき、若者にも魅力ある産業にしたい」と農業振興を語る。

 工場は介護食品も製造する。調理場にはタンドリーチキンや煮物の匂いが漂っていた。手作業で袋やトレーに詰め、色合いや具材に偏りがないか確認する。施設の規模や形態に合わせた小ロットの生産に対応し、介護現場の食も支えている。
(西舘国絵)

1月に完成した新しい工場

■メモ 
 1960年創業。本社は大崎市。県内の学校給食に食材を卸すほか、冷凍弁当などの調理品販売、OEM(他社ブランド製品の製造)なども手がける。従業員はパートを含め150人。うち約50人が東松島工場に勤務する。東松島市大塩緑ケ丘4の4の8。

宮城の学校給食用食材・業務用食材のマルヒ食品

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 1次産業から宇宙まで、石巻地方には地域や全国のさまざまな産業を支える工場が多数立地する。職人技や最新設備が詰まった工場内部を巡る。=随時掲載=

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