石巻地区交通安全協会、県内初の女性会長就任 活動41年の三浦さん、母の視点で
石巻地区交通安全協会の会長に、同協会女性部長の三浦なを子さん(71)が就任した。県内の協会で初となる女性会長として三浦さんは「地域の様子を一番よく見ている母(女性)の視点で、活動に取り組んでいきたい」と抱負を語った。
三浦さんは1953年、石巻市出身。石巻地区交通安全協会稲井支部が誕生した83年に、婦人部のメンバーとして加入。2018年に同協会の女性部長に就任した。今年6月の常任理事会で「(女性が活躍する)社会的にも女性の会長がいいのではないか」という推薦を受け、同月27日の総会で承認された。県内に25ある交通安全協会で初の女性トップ。
活動に関わって41年。当初は子育てをしながら、通学路などに立って自動車のドライバーらに安全運転を訴えてきた。
現在も稲井支部の管轄地域で活動している。先日も、小学生が横断歩道がない交差点を通らなくてはいけない現状を見て、学校へ通学ルートの変更などを要望した。「事故が起き、わが子を失って初めて危険だと知るのでは遅い。その前になんとかしたい」との思いで子どもたちを見守り続けている。
少子高齢化や共働き世帯の増加に伴い、会員が減少。活動費や人員不足で協会の運営は厳しい現状にある。三浦さんは「実際に活動に参加できなくても、入会することで子どもたちの安全グッズ購入に役立つなど、間接的に地域の交通安全に関われる」と入会を勧める。一方で「協会が何をしているのか分からない人も多い。チラシや交流サイト(SNS)を使い、多くの人に活動内容を知ってもらえるよう情報発信に力を入れていきたい」と話す。
「交通死亡事故ゼロを一年一年積み重ね、朝は『行ってきます』、夜は『ただいま』が当たり前に言える地域を目指す」。会長として新たな一歩を踏み出し、改めて決意を語った。
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