児童生徒、自由な発想で土器作り 芸術家が指導 石巻・雄勝小中
石巻市雄勝小中学校(児童21人、生徒9人)で26日、学校敷地内で取れた土からテラコッタ(イタリア語で『素焼き』)を作るワークショップがあった。子どもたちは自由な発想で粘土をこね、動物や器などの土器を制作。完成後、作品は敷地内の林で展示される。
防潮堤に壁画群を描く活動に取り組む地元の一般社団法人が、「海岸線のこども美術館」として初めて企画した。同校で壁画や地上絵を手がけてきた都内の芸術家安井鷹之介さん(30)が講師を務めた。
児童生徒は7月上旬、学校敷地内の林で粘土用の土を採取。一人一人の土に安井さんが水を加えて加工した。ワークショップでは焼く際に壊れにくい形などの説明を受け、子どもたちは思い思いの形を作ろうと粘土と格闘した。
フクロウやオオカミ、魚などの動物を作ったほか、ひも状に伸ばした土を筒状に重ねたり、へらや縄で模様を付けたりして工夫を凝らした。同小6年玉木莞太さん(11)は「形のバランスを取るのが絵よりも難しく、面白い。林の中に隠れているように飾りたい」と話した。
安井さんが昨年インドを訪問した際、テラコッタや遺跡などを見てワークショップの着想を得た。安井さんは「土という日常の素材から、時間のスケール感やロマンといった非日常を感じてほしい」と語った。
安井さんが作品を焼いて仕上げ、学校敷地内の林に展示する。9月6日には同校でお披露目会を開く。
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