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全国高校総合文化祭 美術・工芸部門、桜坂高の須田さんに奨励賞 素材感評価

奨励賞を受賞した須田さんと受賞作「ワレモノ注意」

 石巻市桜坂高美術部3年の須田美月さん(17)が、岐阜市で開かれた全国高校総合文化祭(総文祭)の美術・工芸部門で奨励賞を受賞した。須田さんは「多くの人に作品を見てもらうきっかけになってうれしい」と喜んだ。

 総文祭は7月31日~8月5日にあり、美術・工芸部門には全国323校が402作品を出品した。須田さんは、半立体(レリーフ)作品の「ワレモノ注意」(縦93センチ、横110センチ、厚さ18センチ)を出展。同部門では20人が奨励賞を受賞した。

 須田さんはキャンバスを自作し、全体を荒々しい質感に加工。包装紙や箱をモチーフにした空間にたたずむ子どもを配し、その複雑さや壊れやすさを演出した。講評では、東日本大震災を踏まえた子どもの孤独さの表現や、素材の多彩さが評価された。

 総文祭期間中、作品は岐阜県美術館に展示された。須田さんは「多くの人が足を止めてうなずいたり写真を撮ったりしていて、作品を見てもらえたことがうれしい」と話した。

 3年間の部活動で副部長や部長を経験。美術を通して人を支えるやりがいに目ざめた。教員免許の取得を見据え、美術系大学への進学を目指している。須田さんは「絵を描く技術だけでなく、考え方や物事の捉え方といった内面を支えてあげられるような先生になりたい」と語った。

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