工作で常長の偉業学ぶ 解体された復元船サン・ファン号の補修材、使用 東松島
石巻市渡波の県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)で係留後、解体された復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の補修材を使って木札を作るワークショップが、東松島市矢本西市民センターであった。市内外から約100人が参加。支倉常長らによる400年以上前の壮途を思いながら、焼き印やスタンプで自分だけの木札を作った。
同市を拠点とする、東日本大震災の記憶と世界中から寄せられた支援に感謝を伝える「劇団100通りのありがとう」が主催した。船の廃材活用を通じ、使節として江戸時代にスペインへ渡った常長の偉業を伝えるプロジェクトの一環。
手のひらサイズに切り出した補修材を紙やすりで滑らかに整え、ワークショップ用にデザインされたサン・ファン号の焼き印を付けた。アルファベットなどのスタンプも駆使して木札を完成させた。参加者はひもを通した木札を首から提げて、出来栄えを眺めていた。
参加者は常長の奮闘を描いた劇団の公演映像も視聴。7年を費やした外交の功績にもかかわらず、キリシタン禁制により後世に語り継がれなかった常長を「いなかったことにはできない」とする劇団のメッセージに触れた。ワークショップは劇団のオリジナル楽曲を参加者全員で歌い踊って幕を閉じた。
仙台市から家族4人で参加した長命ケ丘小2年の河野桂太さん(8)は「木を削るのが楽しかった。知らなかった常長のことを分かって良かった」と話した。
団長の菅原節郎さん(74)は「夏の楽しい思い出にしてほしい。これからも企画を続けていきたい」と述べた。
ワークショップは8月18日に開かれた。
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