宮城ゆかりの彫刻家に光 同時代の佐藤忠良、高橋英吉 県美学芸員が解説 石巻
石巻市開成の市博物館で開かれている「移動美術館 佐藤忠良展-宮城県美術館コレクションから」にちなんだ講演会が8月24日、同市のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)小ホールで開かれた。訪れた約50人が、地元ゆかりの作家に理解を深めた。
県美術館学芸員の土生和彦さんが「宮城ゆかりの彫刻家-佐藤忠良と高橋英吉」と題し、県出身の彫刻家佐藤忠良さん(1912~2011年)と木彫家高橋英吉(1911~42年)=石巻市出身=について解説した。
土生さんは2人の生い立ち、代表作やその評価について、写真や当時の雑誌記事を交えて紹介。ともに東京芸大の前身・東京美術学校に在籍していたことなどを共通点に挙げた。佐藤さんが1983年、石巻かほくのインタビューで英吉についてコメントした内容にも触れた。
太平洋戦争に出征した英吉が31歳の若さで戦死したこともあり、土生さんは「2人の交流を示す決定的なものは見つかっていないが、移動美術館の展示を見て(同年代を生きた)地元ゆかりの作家2人を思い出してほしい」と話した。
移動美術館は9月29日まで。英吉の作品も展示している。7日には土生さんによるギャラリートークを予定している。
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