子どもたちが活写、震災前の石巻 めだか展、11日から 写真家橋本さん「当時の教室生徒に返したい」
東日本大震災前に長年、石巻市で開催されていた写真展「めだか展」がよみがえる。写真教室で子どもたちが撮影した作品約1000点を再展示する。指導に当たっていた同市出身の写真家橋本照嵩さん(84)=さいたま市=の「あの頃の子どもたちに写真を返したい」という願いを受け、実現した。11日から同市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)市民ギャラリーで開かれる。
橋本さんは1996~2009年、「めだか展・ぼくたちわたしたちの青空写真教室」を主宰した。当時の門脇、大川、湊、吉浜の4小学校をメインに開催。子どもたちがフィルム付きカメラなどを使い、北上川周辺や海沿いの何げない風景、友人の姿などを撮影した。青空写真展を住吉公園で開いたり、北上川フェアに参加したりして市民の関心を呼んだ。
今回の写真展は、「写真を子どもたちの手元に」という橋本さんの思いを実現するため、市民有志がプロジェクトを立ち上げた。橋本さんが所蔵する青空写真教室の作品を再展示し、撮影した本人か家族に直接会場で返却する。
橋本さんは「教室に参加した子どもの中には震災の津波で亡くなった子もいる。作品を見に来た遺族に返したい」と話す。
写真には津波で失われる前の豊かな自然が写っており、貴重な記録でもある。事務局の八島慎治さん(58)は「震災前の北上川の風景が子どもたちの視点で捉えられている。一人でも多くの市民に見に来てほしい」と呼びかける。
16日まで。時間は午前10時~午後5時。入場無料。橋本さんによるギャラリートークが15日午後2~3時に行われる。連絡先は八島さん090(9207)2951。
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