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女川2号機、燃料装荷作業進む 「慎重かつ確実に」 東北電が現場公開

女川原発2号機で行われている、クレーンで原子炉に燃料を収める作業。写真右の水面下に炉心がある=6日正午ごろ(代表撮影)

 東北電力は6日、女川原発2号機(女川町、石巻市)の原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷(そうか)」の作業を報道陣に公開した。11月ごろを目指す再稼働に向けて作業は3日に始まり、24時間体勢で進む。燃料集合体計560体を保管先の使用済み燃料プールから原子炉圧力容器に移す。作業は10日前後に終える予定。

 原子炉建屋内で、専用の燃料交換機と呼ばれるクレーンを使い、燃料集合体をつり上げて原子炉に移動させる様子を公開した。

 作業員2人が交換機に乗り込み、燃料集合体(長さ4.5メートル、重さ300キロ)を1体ずつ原子炉圧力容器に移動。炉心に正しく収まったかを目視とモニターに映る座標で確認した。

 燃料集合体は放射線を遮蔽(しゃへい)するため、プールから水中内を移動させる。東北電によると、作業は1体当たりの移動が約10分のペース。3日午後に始まり、6日午後6時時点で計180体を移動させた。

 燃料装荷後は、原子炉圧力容器や原子炉格納容器のふたを閉じた際に水や空気の漏れがないかの検査や、非常時に原子炉を緊急停止させる設備の試験などを行う。

 女川原発の新川伸之環境・燃料部長は「13年ぶりの再稼働に向け、安全確保を最優先に緊張感を持って作業に当たっている。おおむね順調に進んでいるので、引き続き、慎重かつ確実にプロセスを踏んでいきたい」と語った。

 東北電は燃料装荷完了後、10月ごろに核分裂反応が安定して継続する「臨界」を目指す原子炉起動、11月ごろの発電再開、12月ごろの営業運転開始を計画している。

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