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かつてあった風景に思い めだか展、子どもら撮影の写真再展示 石巻・16日まで

子どものさまざまな感性が光る作品を見られるめだか展

 石巻市出身の写真家橋本照嵩さん(84)=さいたま市在住=が東日本大震災前に主宰した「めだか展・ぼくたちわたしたちの青空写真教室」の作品の展示が同市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)で11日、始まった。震災から13年半の節目に当たり、来場者はかつてあった風景に、子どもたちが込めた思いを重ねながら見入っている。

 めだか展・ぼくたちわたしたちの青空写真教室再展示の会が主催し、1996~2007年に撮影された1141点を展示。作品を本人や家族に返却したいという思いで開催した。

 写真は北上川周辺や海辺で撮影されたもので、至近距離で撮影した帽子や海の水面に太陽がきらめく様子を撮ったものなど。それぞれ撮影者が付けたタイトル、紹介文とともに展示されている。震災で失われた光景の写真は、資料としても貴重だ。

 撮影は例年、夏休みの間の1日間で行われ、作品は撮影年内に住吉公園などで野外展示されていた。

 石巻市門脇町3丁目の天野麻里子さん(69)は、作品群の中に自分の娘が撮影した写真を見つけ、懐かしそうに眺めたり、共に訪れた姉と思い出話に花を咲かせたりした。「誰かが撮影している姿を撮影していたりと、子どもの視点は大人と全然違っていて興味深い。娘の写真ではこんな場所や瞬間も撮っていたんだと改めて感心した」と話した。

 橋本さんは「ぜひ思い出を手元に残してほしい。自分たちのふるさとの素晴らしさを感じてくれるとうれしい」と語った。

 写真が本人や家族へ返却された場合、会場ではコピーを展示する。展示は16日まで(午前10時~午後5時)。入場無料。15日午後2時からは橋本さんによるギャラリートークもある。

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