震災伝承に役立てて MEET門脇へ10万円寄付 石巻・西光寺の檀家組織がチャリティー行事
東日本大震災の伝承活動に役立ててもらおうと、石巻市門脇町2丁目の西光寺の檀家(だんか)でつくる同寺仏教青年会は12日、チャリティーイベントで集めた募金10万7346円を同町5丁目の伝承交流施設「MEET門脇」に寄付した。住職の樋口伸生さん(61)は「MEET門脇のスタッフが地域に根差して活動を続ける姿に、地元の人間として敬意を表したい」と語った。
寄贈式が同寺であり、青年会会長の高田仁さん(72)と樋口さんが、MEET門脇を運営する同市の公益社団法人「3.11メモリアルネットワーク」の中川政治専務理事(48)に目録を手渡した。
同寺では青年会を結成した1988年から毎年、大みそかに年越しそばを1杯100円で振る舞う催しを開く。近年のお盆期間には同様にかき氷を提供するイベントも実施。今回の寄付には昨年の大みそかと今年のお盆での売り上げの全額を充てた。
高田さんは「メモリアルネットは地域の中でいち早く伝承に取り組み、被災地を訪れたい人々の窓口になってもらった」と感謝した。
樋口さんは地元遺族会「蓮(はす)の会」の代表として、メモリアルネットワークも名を連ねる石巻南浜津波復興祈念公園の「参加型運営協議会」に参加する。公園整備の検討段階から約10年間、中川専務理事らとともに震災の伝承や追悼の場の在り方を模索してきた。
中川専務理事を「草の根的に地元の伝承活動を主導し、国や行政にもはっきりと意見を言ってくれる」とたたえ、「活動資金の工面に苦労していると聞いた。地元の人間として可能な限り支援したい」と述べた。
寄付金はMEET門脇の運営や展示物の追加に活用される。中川専務理事は「先行きが不安な中で大変元気づけられた。地域の方々に後押ししてもらえるような活動のために使いたい」と語った。
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