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「新米まつり」に列 いしのまき農協、9カ所で販売 価格、2023年産米と比べ上昇

石巻地方産の新米を買い求める来店客=21日午前10時ごろ、ふれあいいちば菜花

 2024年産米の本格的な販売が石巻地方で始まった。いしのまき農協は21日、石巻、東松島両市で「新米まつり」を開き、石巻地方で収穫された新米を売り出した。品薄状態の中で新米を待ちわびた消費者が詰めかけ、次々と買い求めていた。

 5キロ入りのひとめぼれ、ササニシキ計1100袋を用意し、農協の直売所と資材店舗の計9カ所で販売した。新米おにぎり計1000個を買い物客に振る舞った。

 石巻市中里5丁目の直売所「ふれあいいちば菜花」では、ひとめぼれとササニシキ各130袋を並べた。午前9時の販売開始前には行列ができ、4時間で9割ほどが売れた。米不足が深刻な首都圏の親類宅へ発送する人も多く見られた。

 石巻市中央3丁目の公務員及川久美子さん(56)は「店頭に米がなく困っていた。近くでおいしい新米を買えるようになり一安心」と笑顔を見せた。

 この日の販売価格はともに5キロ入りでひとめぼれが3000円、ササニシキが3050円。スーパーなどの店頭価格と比べて1割ほど安く設定したが、23年産米と比べてそれぞれ1000円ほど上昇した。燃料、肥料といった生産コストの高騰や、品薄に伴う全国的な価格上昇を反映した。

 飲食店を営む同市中里1丁目の男性(65)は「随分高くなったが、店で出す料理の価格には転嫁しづらい」と困惑する。同農協営農企画課の佐藤友課長(44)は「1膳当たりの米価は40~50円ほど。生産コストが高まる状況で、担い手が農業を続けられるよう理解をお願いしたい」と語る。

 今後は、10月中旬ごろから菜花と石巻営農センター資材店舗(同市あゆみ野5丁目)で新米を販売する予定。

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