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未利用魚活用、環境変化など報告 県水産技術総合センター、試験研究の成果発表

研究成果を発表する県水産技術総合センターの職員(左)

 石巻市渡波の県水産技術総合センターは18日、本年度の試験研究成果発表会を同センターで開いた。新型コロナウイルスの影響で、開催は2019年以来5年ぶり。職員5人が地球温暖化に伴う宮城県沖の海洋環境の変化、水産資源の変動などの調査結果を報告した。

 石巻魚市場など市内の水産関係者、石巻専修大の学生ら約50人が出席。同センター水産加工開発チームの阿部真紀子研究員による低利用・未利用魚の加工利用の取り組みなどの発表に聞き入った。

 阿部研究員は、尾のとげに毒があり値が付かないとされるエイ類の活用方法を探った。「アンモニア臭がするため加工利用が進んでいないが、ヒレにはコラーゲンが豊富に含まれており、山形県などでは郷土料理に使用されている」と利用例を紹介した。

 県内では、石巻市山下町1丁目の飛翔閣がおせちや宴会料理で提供し、塩釜市の水産加工会社も商品製造に力を入れていることを挙げ「商品として十分魅力がある」と話した。

 環境資源チームの高津戸啓介技師は海洋環境変化の一例として、マダラなど従来魚種の水揚げが減少する一方、タチウオなど暖水系魚種が増えていると説明。「昨年は南方系のオオモンハタが石巻湾で採取されるなど、記録になかったことがいま起きている」と現状を語った。

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