子育てと介護の縁側・今日も泣き笑い(12) 家事分担、チームワーク 全員が担う
【石巻市・柴田礼華】
わが家は基本的に家事は分担制で、いわゆる「主婦」「主夫」「家事手伝い」に該当する人はおらず、家族6人それぞれができること、向いていることを担当する仕組みになっています。
まず家事と聞いて多くの方がイメージするのは「掃除」「洗濯」「食事の支度」といったところでしょうか。小さい子どもがいる家庭だと「育児」、病気の人や身体が不自由な人がいる家庭だと「介護」も含まれるでしょう。それ以外にも、家庭にはいわゆる「名もなき家事」がたくさん存在しているように思います。
■加齢で担当変更
まず柴田家ではこの5年間で家事の分担比率が大きく変わりました。要因としては、子どもが産まれたことと、家事の大部分を担ってくれていた義理の両親の加齢による変化の二つが挙げられます。
具体的には柴田家家事チームのメインを担っていたツートップの義父と義母がサポート役に回り、新たにわれわれ夫婦が主軸選手に。さらに乳幼児の子育てという柴田家においては数十年ぶり、われわれ夫婦にとっては初めてのイベントが発生したことで、室内のレイアウトから生活リズムまで子育て仕様に変容。また、義父が体調を崩したり、義母が認知症を発症したりで、これまではお世話する側だった人がお世話される側になる場面も増えてきました。
それでも、わが家の老人たちは働きます。義父のお仕事は、週5日のお風呂掃除(デイサービスに行く2日は免除)、週1回の買い出し、週1回柴田家秘伝の鶏がらスープ作り(和洋中何にでも合う)。不定期で子守(主に子どもたちとテレビ鑑賞、おやつを食べる)。その他にもお米研ぎや、食器洗いをしてくれることもあります。
義母のお仕事は、洗濯物畳みです。目はほとんど見えていないのに、手探りできっちりタオルの角と角を合わせて畳んでくれます。
■子どもにも役割
ちびっ子チームも働きます。4歳の長女のお仕事は、義母がデイサービスに行く朝、お迎えの職員さんに荷物を渡す。義母が家の中で迷子になったら行きたいところに案内してあげる。卵料理を作る時は卵を割る。
1歳の次女のお仕事は、義母がデイサービスから帰ってきたら玄関で職員さんから荷物を受け取る(そのままどこかに放置することも多々あり)。お客さんが来たら真っ先に玄関でお辞儀をしてお出迎えをする。
思いつくまま挙げただけでも、みんなこんなに自分以外の誰かのために動いているんですね。思い返せば、長女も次女も、家事自体はできない赤ちゃんの時代も、その存在の明るさと愛らしさで家族を元気に照らしてくれたように思います。
昔から「働かざるもの食うべからず」と言われますが、いっぱい働いて、いっぱい食べるのが柴田ファミリーが元気でいられる秘訣(ひけつ)かもしれません。
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