大型クラゲ 本年度初、宮城沖に到達 15年ぶりの大量発生予想も
大型クラゲが本年度初めて、宮城県沖に到達した。8月下旬、青森県八戸沖など太平洋側でエチゼンクラゲが確認され、9月上旬以降は岩手県沖で確認が相次いだ。今年は全国的に15年ぶりの大量発生になるという予想もあり、漁業への影響が懸念される。
漁業情報サービスセンター(JAFIC、東京)の「大型クラゲ出現情報」によると、9月12日に名取市沖で、カタクチシラス調査船のトロール網に4匹のクラゲがかかった。かさの直径は20~25センチだった。他にも、底引き網の漁業者から12日に1匹、13日に数匹、17日に4匹発見との報告があった。かさの直径は50~80センチだった。
県水産技術総合センター(石巻市)によると、宮城県沖では昨年度は1匹の出現もなく、近年はシーズンごと数匹の出現にとどまる。同センターは10月以降にも、詳しい分布調査を予定している。
エチゼンクラゲは今年7月以降、長崎県の対馬沖で大量に出現。海流で日本海側から津軽海峡を回り込み、太平洋側に到達したとみられる。成長するとかさの直径は2メートルにもなる。
大量発生した2009年には、東北の太平洋側でも漁網を破るなどの深刻な漁業被害をもたらした。網にクラゲが入って魚がほとんど捕れなくなり、水揚げ量も落ち込んだ。
同センターの伊藤博上席主任研究員は「ここ数年は問題にならなかった。まだ騒ぎになるレベルではないが、西日本では多く出現しており、状況を注視したい」と話す。
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