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自民新総裁に石破氏 石巻地方首長、期待 地方の視点重視の政策を

地方創生担当相時代に県議選の応援で石巻市を訪れた石破氏=2015年10月23日、JR石巻駅前

 自民党総裁選は27日、党本部で投開票され、石破茂元幹事長(67)が高市早苗経済安全保障担当相(63)との決選投票を制し、第28代総裁に選出された。10月1日に臨時国会で、岸田文雄首相の後継となる第102代首相に指名される見通し。

 東日本大震災で被災し、人口減少が加速する石巻地方2市1町の首長からは、地方重視の姿勢や防災体制強化に期待する声が上がった。

 5回目の挑戦で総裁に就いた石破氏について、石巻市の斎藤正美市長は「国を思う強い気持ちが結実したのだと思う。責任政党としての責務を果たし、国民の信託に応えてほしい」と期待。「地方は少子化や人口減少で疲弊している。まずは国づくりだが、地方の発展にも力を入れてほしい」と求めた。

 石破氏は防災省の創設を掲げる。斎藤市長は「復興が進んだ石巻を見て、諸課題に取り組むわれわれの思いをくみ取ってもらいたい」と語った。

 自民党員の渥美巌東松島市長は党員票を石破氏に投じたと明かし「これまで総裁選で敗北を重ねており、人の痛みや悔しさも分かる。非常に期待している」と総裁就任を祝した。

 防衛相経験など安全保障面の手腕を評価し「自衛隊の基地立地自治体として心強い」と強調。石破氏が訴える憲法改正による自衛隊明記や日米地位協定の見直しにも理解を示した。

 地震、豪雨と相次いで災害に見舞われた石川県能登半島を念頭に「被災することで地方はますます衰退していく。過疎化が進む鳥取県出身であり、地方の声を大事にしてくれると期待する」とも語った。

 女川町の須田善明町長は、石破氏が震災直後の2011年5月、避難所になっていた町総合体育館に町民と共に宿泊したことに触れ「避難所に泊まった国会議員は他にいないのではないか。被災者に寄り添い、気持ちを共有するなど現場を大事にしている」と印象を語った。

 決選投票については「今後の選挙で、立憲民主党代表に就任した野田佳彦元首相に渡り合えるのは石破氏だという見方が出たかもしれない」と分析。「まずは国民から信頼される政党をつくることだ。党を立て直した上で、地方にも目を向けてもらいたい」と望んだ。

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