震災教訓や復興ヒント学ぶ 石川・輪島高の生徒ら石巻、女川を訪問
能登半島地震や今月の記録的な豪雨で甚大な被害を受けた石川県輪島市の輪島高の生徒有志が27日、石巻市や女川町などを訪問した。東日本大震災の被災地で教訓や復興のヒントを学ぼうと、語り部らの言葉に耳を傾けた。
訪問は能登の復興に役立ててほしいと同校が企画。全国から寄せられた義援金を充て、生徒13人と教職員が参加した。
同日午前は2グループに分かれ、市震災遺構の大川小と門脇小でそれぞれ研修を受けた。児童・教職員計84人が犠牲になった大川小には1、2年生計6人が訪問。遺族らでつくる「大川伝承の会」の三條すみゑさん(66)=石巻市二子3丁目=から震災当時の状況を聞いた。
三男で石巻商高3年だった泰寛さん=当時(17)=を失った三條さんは冒頭、亡くなった当時と同年代の生徒たちに「(能登半島が)震災と同じ状況にある中、ここに来てくれてありがとう」と感謝を伝えた。
生徒たちは三條さんの説明を受けながら、犠牲になった児童らの当時の行動をたどった。三條さんは「地震発生から津波が来るまで51分あったが、避難した時間は最後の1分しかない。『ここは絶対大丈夫』という場所はない。絶対に避難しないといけない」と訴えた。
2年の宮腰大地さん(16)は「避難経路の確保が大事だと感じた。災害時は行き止まりになるかもしれないので、何パターンか考えておく必要がある」と話した。
宮腰さんは地震で市内の自宅が全壊。家族5人で仮設住宅に入居したが、先日の豪雨で断水や停電が続き、祖母宅に身を寄せる。「被災後、NPOが勉強道具や遊び場を提供してくれた。将来は自分も被災地の人を助ける仕事がしたい」と語った。
午後は、女川町の復興まちづくりを見学し、多賀城高の災害科学科でも研修を行った。28日は名取市閖上のゆりあげ朝市を見学する。
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